メンズエステで研修を受けた話
前回から続いています
面接を受けて採用になった私は、後日改めて研修を受けることになりました。
研修も接客も、わたしの面接を受けたマンションの別室でやるとのことでした。
事務所として借りているお部屋のほかに、何部屋も施術用のお部屋がありました。
研修の日は面接を受けたお部屋とは別のお部屋に通されました。
(この部屋もきれいだな…)
アジアン風の家具で統一されていて、そのお部屋もほのかにアロマの香りがしました。
私「いい香りですね、これがアロマなんですね」
オーナー「あらこれたぶん柔軟剤よ」
…最近の柔軟剤はすてきなにおいがしますからね。
アロマと柔軟剤を間違えたわたしに、オーナーさんは服を渡して
「じゃっこれに着替えてきてくれる?サイズたぶん大丈夫だと思うんだけど~」
渡されたのは、施術のときに着る服、いわば制服でした。
着替えようとバスルームにいきました。
ごそごそと着替えると、上は身体に張り付くようなぴったりとしたTシャツに、下は伸縮性のあるこちらもぴったりとしたホットパンツでした。
私「着替えました~」
オーナー「あらあ~いいじゃない、ぴったりだわあ♪」
私「あの…ホットパンツだいぶきわどいんですけど」
オーナー「お客様喜ぶわよw」
(そういうもんなのかあ…)
だいぶきわどいホットパンツに包まれて、なんだかよくわからないけどわたしは妙な納得をしました。
オーナー「さっ始めるわよ。まずアタシが鈴木さんに施術します。それが終わったら、今度は鈴木さんがアタシにやってみて。教えながらゆっくりやっていきますから」
私「は、はい」
床と高さがあまり変わらない、広い施術用のベッドにうつぶせになるように言われました。
部屋は間接照明だけで薄暗くて、床暖房がベッドを伝わっているのか、ほんわり暖かくて、研修中ということを忘れて私は眠ってしまいそうでした。
わたしの背中に、おしりから膝の裏まですっぽり隠れてしまうくらい大きいタオルがかけられました。
それから、両足にそれぞれ別々にタオルがかけられました。
オーナー「寒くない?」
私「はい、大丈夫です」
オーナー「じゃあ足裏からやってくわよ~、リンパマッサージは心臓から遠いとこからゆっくりマッサージしていくの。」
オーナーさんが手にオイルをつけたような、ちゅくちゅくっというような水音がしたあと、
オーナーさんの手がわたしの右足のうらに触れました。
(う、うわあああ~、気持ちいい~…!)
少し痛いけど、オーナーさんのあたたかい手にほぐされていきました。
それからふくらはぎ、太もも、同じように左足、おしり、腰、背中…と順番に、オーナーさんはリンパ節やツボの位置を説明しながらら、ほぐしていきました。
わたしはもう眠らないように必死でした…
オーナー「はーいじゃあ仰向けになってくださーい♪」
わたし「はい…(ぼんやり)」
オーナー「がははっ頭がぼーっとするでしょう?」
わたし「はい…」
オーナー「だいたいみんなそうなるから大丈夫よ、じゃあ仰向けのマッサージを教えながらやっていきますねー」
仰向けになり、胸元からおなかまでタオルをかけてもらいました。
仰向けはデコルテ、おなか、鼠径部…と、ゆっくり教えてもらいながら覚えていきました。
一通り終わった頃には、もう眠気はピークでした。
オーナー「はいっじゃあ今度はアタシに鈴木さんがやってみて」
眠気地獄…もう上のまぶたと下のまぶたが仲良くしたがっている…
オーナーのマッサージの技術…なにこの技術…
そんな状態でしたがこれはあくまで研修、気持ちを切り替えて頑張りました。
いざやろうとしてみると、人の肌に触れるのは緊張しました。
正直いまでも、初めてお会いするお客様には緊張します。
どのくらいの力加減がいいのか。
どこが痛いのか。
どの技が気持ちいいと思っていただけるのか。
なんだか誤解をされそうな言い方になってしまいますが、
わたしは愛撫のようだと思ってやっています。
相手を思いやりながらからだに触れるので、
それに近い気持ちで、という意味です…
たんたんと技を披露していくだけじゃなくて。
いまでもそういう気持ちでやっているのですが、
お客様に伝わっているのかなあ。 伝わっていたらうれしいです。
そんなこんなで(省略しすぎ?)研修を終えることができました。
マッサージは奥がふかいです。