初めてメンズエステに面接にいった話2
続きです
面接の日、指定されたのは渋谷駅から歩いて少しある、高級住宅地でした。
(こんなところに、メンズエステってあるのかな…芸能人とか、住んでいそうだな…)
自分の知っている渋谷とは違って、
道行くひとがみんな落ち着いた大人のひとです。
知らない道に知らない雰囲気、わたしにはちょっと場違いなところに思えて、
少し心細くなりました。
とぼとぼ歩いていると、指定のマンションが見えました。
高層のそれは、デザイナーズと言ったらよいのでしょうか。
びっくりするほどきれいで高そうなマンションでした。
(きっと最上階には夜王とか女帝にでてくるようなひとが住んでるのかなあ)
マンションのてっぺんのほうを見上げながらわけのわからないことを考えていました。
つるつるした大理石っぽい(本物かどうかわからないので)床のエントランスで指定された部屋番号を押しました。
(緊張するな…)
ドキドキしていたら
「はぁ~い♪」
おっさんだけどやたらオネエなかんじの声がしました…!
「あ、あの、○○さんからの紹介で、面接にきました、鈴木です‼」
「あ~はいはい♪聞いてますよお、○号室になりますぅ、あがってきてねえ~♪」
オネエだ…
先程までの緊張が、別の緊張に変わったような気がしましたが
エレベーターで高層マンションの上のほうにあがっていきました。
エレベーターのなかにはだれかの香水が残っていて、さっきまでお金持ちの女のひとが乗っていたような、そんなにおいでした。
フロアにつくと、そのにおいは消えていて、しん…としていてなおさら緊張しました。
部屋の前について、インターホンを押すと
「はぁ~い♪あらあこんにちはあ、オーナーの高嶋(仮名)でっす」
めちゃめちゃマッチョなおじさんがでてきた…!
この人がオーナー、ということは、あの女の子が言っていたゲイのオーナーさん…
色々と衝撃を受けながら部屋のなかに通されました。
部屋のなかは明るくて、大きな窓からはきっと渋谷の街が見えるんでしょうけど、白いカーテンからやわらかい光が入ってきていました。
なにかのアロマオイルの香りがして、
少しだけリラックスできました。
大きな窓の横にある、ふかふかのソファーに腰かけるように言われ、オーナーさんはいそいそとクッキーと、飴と、温かいアップルティーを出してくれました。
(おいしい)
「リラックスした?」
にこにこしながらオーナーさんはそういいました。
「あ、はい、少し」
「がははっそうよねえ、いきなりこんなのでてきたらびっくりするもんねえwww
安心してください、ちゃんとプロのセラピストです♪」
話を聞くうちに、オーナーさんはふだんはほかにメインのマッサージのお店をやられていて、
メンズエステは需要があらるとにらみ数年前に始めたとのことでした。
「で、採用なんだけどいつから働ける?」
「えっまだ私のことなにも話してないんですが⁉」
「大丈夫よぉ~、かわいい顔してるし、ゆっくりしゃべるとことか受けそうだし、研修ならアタシがばっちりやってあげるから!
もちろん研修をうけてから決めてもいいしね!」
いきなりの採用と、わたしに務まるか不安だったので、研修を受けてから決めることにしました。
続きます